歯科医院で働いていると、
「この人、なんでそんな言い方するんだろう」
「ミスを指摘しただけなのに機嫌が悪くなる」
そんな場面に遭遇することは珍しくありません。
歯科医師も歯科衛生士も、国家資格を持ち、専門知識と技術で評価される仕事です。
その分、自分のやり方・考え方に強い自負(=プライド)を持ちやすい環境でもあります。
問題なのは、プライドが「自信」ではなく「防衛」になってしまっている人。
今回は、そんなプライドが高い人に振り回されずに働くための考え方と距離の取り方についてお話しします。
プライドが高い人の心理とは?
まず知っておいてほしいのは、
プライドが高い=メンタルが強い、ではないということです。
多くの場合、背景には
- 自分の評価が下がるのが怖い
- 間違いを認める=無能だと思われると感じている
- 過去に否定された経験が強く残っている
こうした不安や劣等感を隠すための鎧として、プライドをまとっています。
そのため、
- 指摘に過剰に反応する
- 上から目線になる
- 他人の意見を受け入れない
といった態度が出やすくなるのです。
プライドが高い人によくある行動の具体例
職場でプライドが高い人は、日常のちょっとした場面にその特徴が表れます。
以下は、歯科医院でもよく見られる代表的な行動です。
- 指摘されると不機嫌になる・黙り込む
ミスや改善点を伝えただけなのに、急に態度が冷たくなったり、露骨に不機嫌になる。 - 「でも」「だって」が多い
こちらの話を最後まで聞かず、まず否定や言い訳から入る。 - 自分のやり方を絶対に変えない
新しい方法や意見を提案しても、「今までこれでやってきたから」と聞く耳を持たない。 - 他人の功績を素直に認めない
誰かが褒められると話題を変えたり、自分の話にすり替える。 - 人前では強気、裏では弱音や不満が多い
表では自信満々だが、陰では不安や不満をこぼしていることが多い。 - 謝らない・非を認めない
明らかに自分のミスでも、「誤解させたならごめん」など責任を曖昧にする。 - 上下関係を強く意識する
立場が下だと見た相手には強く、上の人には態度を変える。
これらの行動は、性格が悪いというよりも、
自分の価値が下がることへの強い恐れから出ている場合がほとんどです。
「自分が悪いのかも」と抱え込まず、
そういう特性の人なんだと理解するだけでも、気持ちは少し楽になります。
正面からぶつからないのが正解
プライドが高い人に対して、
「それは違うと思います」
「前も同じこと言いましたよね」
と正論を真正面からぶつけるのは逆効果になりがちです。
相手は内容よりも、
自分のプライドが傷ついたかどうかで反応しているからです。
歯科医院はチーム医療。
勝ち負けを決める場所ではありません。
仕事できるドクターや衛生士の方が腰が低いのは歯科医院あるあるですよね。
付き合い方のコツ①「立てつつ、線は引く」
意見を伝えるときは、
- 「先生の考えも分かります。その上で…」
- 「〇〇さんの経験があるからこそだと思うんですが…」
といったクッション言葉を入れるのがおすすめです。
これは媚びではなく、無駄な衝突を避けるための技術。
ただし、理不尽な要求や人格否定まで受け入れる必要はありません。
「尊重」と「迎合」は別物です。
付き合い方のコツ②「期待しすぎない」
プライドが高い人に対して、
「分かってもらおう」
「変わってもらおう」
と期待しすぎると、こちらが疲弊します。
「この人はこういう反応をする人」
と性格特性として割り切ることで、感情の消耗はかなり減ります。
歯科医院では特に、
医師もベテラン衛生士も、簡単には変わらない。
これはある意味、現実です。
付き合い方のコツ③「自分の専門性に誇りを持つ」
相手のプライドが強いと、
自分の意見が小さく感じてしまうことがあります。
でも忘れないでほしいのは、
あなたも専門職であり、価値ある存在だということ。
歯科衛生士の視点、
患者さんに一番近い立場の意見は、決して軽いものではありません。
相手のプライドに飲み込まれず、
「私は私の仕事をしている」
その軸を持つことが、いちばんの防御になります。
プライドが高い人との上手な接し方【具体例】
プライドが高い人と関わるときは、正論よりも「伝え方」が重要になります。
以下は、職場で実際に使いやすい具体的な接し方の例です。
① 指摘や意見を伝えるとき
NG例:
「それ、やり方間違ってますよ」
OK例:
「〇〇さんのやり方を基本にして、ここだけ少し変えたほうが良さそうだなと思ったんですが、どう思いますか?」
相手のやり方を一度肯定してから意見を添えることで、プライドを刺激しにくくなります。
② 明らかに相手が間違っているとき
NG例:
「前回も同じミスしてましたよね」
OK例:
「私の認識が違っていたらすみません。ここはこういう流れで合っていますか?」
相手に“訂正させてあげる形”を作ると、衝突を避けやすくなります。
③ 上から目線な態度を取られたとき
NG例:
感情的に反論する、黙って我慢する
OK例:
「そういう考え方もありますね。私はこういう理由でこの方法を選んでいます」
否定せずに自分の立場を淡々と伝えることで、主導権を奪われにくくなります。
④ 指示がコロコロ変わるとき
NG例:
その場の空気で全部合わせてしまう
OK例:
「先ほどはAで進めるお話でしたが、今回はBで大丈夫でしょうか?」
事実確認の形にすることで、相手を責めずに整理できます。
⑤ 理不尽な要求をされたとき
NG例:
無理だと分かっていても引き受ける
OK例:
「そこまで対応すると他の業務に支障が出てしまうので、今日はここまででも大丈夫でしょうか?」
感情ではなく「業務」を理由に断ると、角が立ちにくくなります。
これらはすべて、相手のプライドを守りつつ、
自分が消耗しすぎないための距離の取り方です。
無理に仲良くなる必要はありません。
仕事が回る関係を目標にして十分です。
それでも辛いなら、距離を取っていい
我慢し続けて心がすり減る職場が、
本当にあなたにとって必要かどうか。
- ずっと緊張している
- 萎縮して発言できない
- 家に帰っても仕事のことで苦しくなる
そんな状態なら、
環境を変えることも立派な選択です。
逃げではなく、自己防衛。
合わないと感じたら、無理に続けなくていい
歯科医院は数がとても多く、職場の雰囲気や考え方も本当にさまざまです。
「なんとなく合わないな」と感じたら、さっさと辞めてしまっても何も問題ありません。
歯科衛生士は常に人手不足で、引く手あまたの職種です。
そのため、転職回数が多くても採用されない、ということはほとんどありません。
無理をして合わない環境に居続けるよりも、
自分に合う歯科医院を選び直すことのほうが、長く気持ちよく働くためには大切です。
職場を変えることは逃げではなく、
自分の働き方と心を守るための、前向きな選択です。
おわりに:プライドより大切なのは「自分の心」
歯科医院は狭い世界だからこそ、
人間関係の影響を強く受けます。
でも、他人のプライドのために、
あなたの心が犠牲になる必要はありません。
うまくかわして、
必要なら距離を取って、
それでもダメなら環境を選び直す。
あなたの人生の主役は、あなた自身です。



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