体調不良で電話に出られなかっただけで「浮気扱い」? 信じてもらえない恋愛

恋のお悩み

◆今回のお悩み

夜中に体調が悪くて吐き気と震えが止まらない中彼女からの電話に出られませんでした。
彼女は電話に出ないのを浮気だと思って怒っています。夜間救急に行くほど本当に体調が悪くて電話に出られないのですが信じてもらえません。
もう別れると言って来ています。これはきつくても電話に出るべきだったのでしょうか。
彼女はADHDの傾向があり、0か100かみたいな考え方です。
その考え方は治らないので私が体調が悪い事は彼女には関係なく、電話に出なかったという事実だけが残っている状況です。
私は浮気でもなく本当に体調が悪かっただけで彼女を裏切る事はしないよと伝えています。
彼女からは、もう疲れた、好きにしてと来ています。
彼女は相手にしてもらえないとすぐ相手にして貰える他の人に連絡したり遊んだりします。
電話に出られなかったので今も恐らく誰かと連絡とったり遊んでいる可能性があり私も体調が悪いながら不安で仕方ありません。

◆心理学的な解説

今回の相談は、読んでいて胸がぎゅっと締め付けられるような内容でした。
まず、夜間救急に行くほど具合が悪いのに「電話に出なかった=浮気」と断定されてしまう。その一言で関係が揺らいでしまう――これはとても苦しい状況です。

もちろん、体調が悪くて電話に出られないのは当然のことです。
人間は24時間誰かに応え続けるロボットではありませんし、つらい時に「出られなかったこと」が責められるのは本来おかしいことです。

◆① 0か100かで考えてしまう「白黒思考」

相談者さんが書かれている「0か100かの考え方」。これは心理学では白黒思考(スプリッティング)と呼ばれるものです。

白黒思考が強い人は、出来事の背景や状況を考える前に、
「できた / できなかった」
「味方 / 敵」
「愛されている / 裏切られた」
のどちらかに瞬時に振り分けてしまう傾向があります。

そのため、

  • 電話に出られなかった → 私を大切にしてない
  • 返事が遅れた → きっと他の人がいる

という極端な結論に走りやすいのです。

これは“治る・治らない”というより、もともとの認知のクセに近く、本人が少しずつ意識していく必要があります。

◆② 寂しさに耐えられない「不安型の愛着スタイル」

さらに今回の彼女の行動には、不安型愛着の特徴が強く見られます。

不安型の人は、

  • 相手にしてもらえないと「嫌われた」と感じやすい
  • 自分の価値を人の反応で確かめようとする
  • 不安を埋めるために“相手にしてくれる別の誰か”に向かいやすい

こうした特徴があります。

つまり、彼女にとっては、
「電話に出てもらえなかった」=「私は大切にされてない」
という痛みが一気に爆発してしまい、

その不安を埋めるために、他の人に連絡してしまう可能性がある――ということです。

◆③ あなたが悪いのではなく「関係の構造」がしんどい

相談者さんは浮気もしていないし、嘘もついていません。
ただ体調が悪くて、夜間救急に行っただけ。
それでも責められる。信じてもらえない。

これはあなたが悪いわけではありません

むしろ、彼女の不安が強すぎるがゆえに、
「あなたがどれだけ誠実か」よりも、
「自分の寂しさを埋められるかどうか」
が優先されてしまっている状態です。

これは、どれだけ愛情を注いでも同じ状況が繰り返される可能性が高く、相手に合わせ続ける側がどんどん消耗してしまいます。

◆私の意見:好きだという気持ちと“幸せになれる未来”は別物

ここからは、私個人の意見です。

相談者さんは彼女のことをきっと好きなのだと思います。
でも、体調が悪いときに心配すらしてくれない人と、
本当に幸せな未来が描けるでしょうか?

恋愛における“優しさ”とは、
いつも元気で強い自分を見せ続けることではなく、
弱っている自分を受けとめてもらえるかどうかです。

そしてもうひとつ。
寂しさを埋めるためにすぐ他の人と連絡を取ってしまう人は、
状況次第で“一線を越える可能性”があります。

それはあなたの責任ではありませんが、あなたの不安は正当です。

◆現実的に「付き合い続ける」ための具体策

1)日常で「安心のストック」を作る

不安型の人は瞬間的な反応で愛情を測ろうとします。だからこそ、日常的に小さな安心を積み上げることが重要です。これはあなたが奴隷的に尽くすことではなく、再発予防のための投資だと考えてください。

  • 毎朝や毎晩に短い「今日もお疲れ」「好きだよ」メッセージを送る(長文不要)
  • 予定が変わるときは一言伝える習慣をつける(30秒で済む)
  • 「不安になったら読む用」のメッセージを用意しておく(テンプレ文を送っておく)

2)「緊急時ルール」を二人で決める

具合が悪くて出られない場面は必ず発生します。だから事前にルールを作り、双方の期待を合わせておきましょう。

  • 例:体調が悪いときは無理して電話に出ない(代わりに朝に状況報告)
  • 例:返信がない=すぐに“浮気”と結びつけないことにする
  • 例:緊急で連絡が必要なときのための合図(短いスタンプや一言)を決める

具体的な文例:
「具合が悪い時は返信できないことがあるから、朝必ず状況を伝えるね。それで安心してくれる?」

3)彼女の「感情の波」を一緒に扱う訓練

彼女に自分の感情の起伏に気づいてもらう練習をしましょう。重要なのは責めない伝え方です。

  • 感情が高ぶったときは「いったん時間を置く」合図を決める
  • あなたは「責められた」と感じた瞬間、短く落ち着いたメッセージで冷却を提案する
  • 落ち着いたタイミングで振り返りをする(週に一度のチェックイン)

言い方の例:
「今、感情が大きくなってる気がする。お互いに落ち着いて話せるタイミングで話そうか?」

4)「他の人に連絡する」行動への境界線を明確にする

これはあなたが特に傷つくポイントだと思います。ここは境界線(ボーダー)を伝える場面です。感情的にならず、あなたの感情を守るために冷静に示してください。

  • あなたの感情:「寂しいから他の人に連絡するのは、僕にはつらい」
  • 具体的要求:「寂しい時はまず僕に言ってほしい。話したいなら話せる時間を作るから」
  • ルール違反が続く場合の対応(例:繰り返すならカップルカウンセリングを受ける等)

5)第三者の助け(カップルカウンセリング)を検討する

個人の努力だけでは限界があるケースは多いです。特に白黒思考や愛着の問題が強い場合、第三者(専門家)が介在することで改善のスピードと深度が変わります。可能ならカップルカウンセリングや心理療法の利用を勧めましょう。

◆交渉で使える具体的フレーズ(そのまま使えるテンプレ)

  • 「僕は本当に具合が悪くて動けなかった。心配かけてごめん。朝になったら詳しく話すね」
  • 「僕が出られない時のルールを一緒に決めない?お互い安心できる方法を作りたい」
  • 「寂しかったらまず僕に言ってほしい。代わりに僕もあなたの不安を減らす努力をする」
  • 「感情が高まってる時は、いったん時間を置いてから話そう。そうした方が誤解が減るよ」

◆あなたが自分を守るために決めておくべきこと

最後にとても重要な点。あなたは相手を助けたい気持ちがあって当然ですが、「ここまでなら耐えられる/ここからは無理」という自分の限界ラインを決めてください。それを決めることはわがままでも冷たさでもありません。長く健康に付き合うために必要なセルフケアです。

◆付き合い続けるための3つの必須項目まとめ

  1. 日常で安心を積み上げる(短い愛情確認の習慣)
  2. 緊急時のルールを二人で決めておく
  3. 感情の波を一緒に扱う方法を作る(冷却ルール・週次チェックなど)

これらを二人で作る努力をし、かつあなた自身の境界線も忘れずに持っておくこと。もし彼女が協力的でない、あるいは改善が見られない場合、関係の先を見直す選択肢を取るのも正当な判断です。あなたの心身が消耗するような関係は続ける価値が薄れていきます。


◆恋愛は「安心感」でできている

恋愛は、“好き”だけでは続きません。

安心できること。
弱っている時にそばにいてもらえること。
気持ちを信じ合えること。

この3つが揃って初めて、穏やかな関係が築けます。

今回の相談者さんは、彼女を大切に思っているのに、
その気持ちがまったく安心につながっていない状態。
これはとてもつらいし、誰でも心がすり減ります。

もし「頑張らないと維持できない恋」になってしまっているなら、
それはあなたが悪いのではなく、
その関係性があなたの心に対して負担が大きすぎる
というだけのことかもしれません。

あなたの優しさや誠実さをまっすぐ受けとめてくれる人は、必ずいます。
どうか、自分の身体と心を一番に大切にしてください。

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