恋愛では「相性」や「タイミング」も大切ですが、それ以前に「この人と付き合うと幸せになれるのか?」という視点も欠かせません。心理学的に見ると、恋愛関係をこじらせやすい“付き合っちゃいけない人”にはいくつかのタイプが存在します。
その中でも代表的なのが、いわゆる 「メンヘラ」タイプ。
感情の波が激しく、愛情を求めすぎたり、逆に距離を置きたがったりと、相手を振り回してしまう傾向があります。
心理学的には、こうした「メンヘラ的な言動」は 愛着スタイル(アタッチメントスタイル) によって説明できます。特に 不安型 と 回避型 の愛着スタイルを持つ人は、恋愛において相手を疲弊させてしまうことが多いのです。
今回は、「不安型」「回避型」と付き合った場合にどんなことが起こりやすいのか、心理学的に解説していきます。
愛着スタイルとは?
人は幼少期の親との関わりの中で、愛され方や安心の得方を学び、それが大人になってからの恋愛スタイルに影響を与えると考えられています。これが「愛着理論」です。
大きく分けると以下の4つがあります。
- 安定型:自己肯定感があり、相手にも安心して頼れる
- 不安型:相手に捨てられる不安が強く、依存的になりやすい
- 回避型:親密さを避け、距離を取ろうとする
- 不安定回避型(混合型):不安と回避が混ざり、感情が乱れやすい
俗に「メンヘラっぽい」と感じられるのは、不安型と回避型のパターンです。では、それぞれと付き合うとどうなるのでしょうか?
不安型メンヘラと付き合うとどうなる?
1. 「愛されてる?」の確認が止まらない
不安型の人は、相手に見捨てられる恐怖心を常に抱えています。そのため「私のこと好き?」「本当に私でいいの?」といった確認を繰り返す傾向があります。恋人からすると「何度言わせるんだろう」と疲れてしまう場面も少なくありません。
2. 連絡頻度でトラブルになりやすい
LINEの返信が少し遅れただけで「嫌われたのかも」と感じて不安になり、怒りや涙でぶつけてしまうことがあります。相手が仕事中で返せなかっただけでも、心の中では「もう終わりだ」と考えてしまうケースも。
3. 愛情表現は豊かで尽くす
一方で、不安型の人は愛情深く、恋人のために全力で尽くします。サプライズを用意したり、小さな変化にすぐ気づいたり、情熱的な恋愛になりやすいのも特徴です。愛されている実感を相手にも与えやすいでしょう。
回避型メンヘラと付き合うとどうなる?
1. 一定の距離を置きたがる
回避型の人は「親密さ=束縛されること」と感じやすく、距離が近づきすぎると逃げたくなる傾向があります。愛していても「自由が欲しい」「一人の時間がないと苦しい」と言うことも多いのです。
2. 感情を表に出さない
好きなのに「好き」と言えなかったり、相手が不安になっても「大丈夫」と突き放したりするため、恋人は「冷たい人」と感じやすくなります。しかし本人にとってはそれが安心の方法であり、決して愛情がないわけではありません。
3. 依存されると逃げてしまう
不安型の人が相手の場合、強く求められることで「重い」と感じ、距離をとろうとしてしまうのが回避型の典型的なパターンです。その結果、関係が安定する前にギクシャクしてしまうことも少なくありません。
不安型と回避型の組み合わせが危険?
心理学では「不安型と回避型は磁石のように惹かれ合いやすい」と言われています。
- 不安型は「愛情表現が少ない回避型」に余計にハマり、「追いかけたい」という気持ちが強くなる
- 回避型は「熱烈に愛を示してくれる不安型」に最初は心地よさを感じる
しかし関係が進むと、
- 不安型:「もっと近づきたい!」
- 回避型:「これ以上近いのは苦しい…」
と、互いのニーズが真逆になり、典型的な「追いかける・逃げる」の関係に陥ります。これがいわゆる「メンヘラ恋愛」の典型パターンです。
付き合う上で大切なポイント
- 感情の仕組みを理解する
相手の言動を「わがまま」「冷たい」と決めつけず、「不安だからこうするんだ」「距離をとることで安心するんだ」と理解することで、衝突が減ります。 - 境界線を引く
不安型の人には「今は仕事中だから、後で必ず返すね」と伝えたり、回避型の人には「一人の時間が必要なんだね」と尊重したり、互いに心地よい距離感を探すことが大切です。 - 安定型の姿勢を意識する
心理学的には「安定型」に近づくことで関係は安定します。自分が落ち着いて相手を信じる姿勢を持つと、不安型の人は安心し、回避型の人は心を開きやすくなります。
まとめ:不安型・回避型は“付き合っちゃいけない人”の代表格
恋愛では「努力すればうまくいく」と考えがちですが、相手が不安型・回避型のようなメンヘラ傾向を強く持っている場合、どれだけ頑張っても安定した関係を築くのは難しいのが現実です。
- 不安型は「もっと愛してほしい」と終わりのない要求をしてくる
- 回避型は「距離を置きたい」と心を閉ざしてしまう
- 二人のニーズは真逆で、結局“追いかける人”と“逃げる人”という構図に陥りやすい
こうした関係は、お互いを成長させるどころか、疲れ果てて自己肯定感を失う原因になってしまいます。
つまり、心理学的に見ても 不安型・回避型のメンヘラは「付き合っちゃいけない人」の代表例 と言えるでしょう。
もちろん、本人が自分の傾向に気づき、カウンセリングや自己理解を深めて「安定型」に近づいていく努力をしているなら話は別です。ですが、ただ巻き込まれるだけの恋愛を続けてしまうと、あなた自身が幸せから遠ざかってしまいます。
恋愛で大切なのは、「愛してくれるか」以上に「一緒にいて安心できるか」。
その視点を忘れないことが、幸せなパートナーシップを手に入れる第一歩です。
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